神奈川県公立高校入試 入試問題の分析と対策 理科編

先日(10/8)、最新の入試情報をお伝えする「高校入試説明会」を開催しました。こちらは毎年の恒例イベントで、学習塾トリプルAさんと合同主催で行っています。
今年は、4年ぶりの対面形式での説明会で「アミューあつぎ」の施設で実施しました。たくさんの保護者様、中学生に参加していただきました。ありがとうございました!
今回は参加できなかった保護者様や中学生もいらっしゃいますので、今週から、私が担当した「公立入試問題の分析と対策」について掲載していきます。今回は、2023年度入試「理科の分析と対策」です。
2023年度公立入試 理科の分析と対策
理科 合格者平均点の推移
2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
55.9点(3) | 50.1点(5) | 58.9点(3) | 51.0点(5) |
理科 合格者の得点分布

理科は昨年度より平均点が7.9点下がり、5教科の中では平均点が一番低い点数でした。過去4年間の平均点は、上げ下げを繰り返しています。得点分布を見ると、31点~60点の幅に47.7%が集中しています。5教科では、数学に次いで高得点が取りにくい教科と言えます。
理科 問題内容の分析
設問 | 出題内容 | 設問数 | 配点 | 受検者平均点 | 受検者得点率(%) |
---|---|---|---|---|---|
問1 | 物理:音、力学的エネルギー、電流回路 | 3 | 9 | 4.94 | 54.83 |
問2 | 化学:状態変化、質量保存の法則、化学反応式 | 3 | 9 | 4.47 | 49.70 |
問3 | 生物:細胞分裂、光合成、食物連鎖 | 3 | 9 | 5.31 | 59.03 |
問4 | 地学:乾湿計、寒冷前線、地層と化石 | 3 | 9 | 4.81 | 53.43 |
問5 | 物理:凸レンズ | 4 | 16 | 8.27 | 51.68 |
問6 | 化学:イオンのなりやすさ、化学電池 | 4 | 16 | 6.06 | 37.90 |
問7 | 生物:消化と吸収、対照実験 | 4 | 16 | 9.44 | 59.03 |
問8 | 地学:星の動き、北極星の高度 | 4 | 16 | 7.61 | 47.55 |
昨年度から引き続き全問が番号選択問題で、設問数、問題配列、配点などは例年通りでした。学年別に見ると、問1~問4の各分野で各学年からほぼ均等に出題され、問5~問8では中2の学習内容が多くなっています。基本的な知識だけで解ける問題は少なく、知識や情報を活用する問題が増えています。
理科 配点と正答率の特徴
問1~問4が36点、問5~問8が64点の配点!
・すべての設問が番号選択問題、完答形式の問題は4問
・選択肢は4択が中心だが、6択、8択、新たに9択も2問
28問中18問が正答率31%~69%に集中!
・どの分野もほぼ均等に出題、生物分野の正答率はやや高い
・正答率70%以上は6問、30%以下は4問
理科 今後の対策とポイント
・まずは中1・中2の基礎知識を早めに固めること。特に生物分野は得点源。
・知識や情報を読み取る問題は、普段からじっくり考えて解くことが大事。
・模擬試験や過去問の解き直しを繰り返し、他県の入試問題にも挑戦する。

理科は各学年、各分野からまんべんなく出題されます。基礎知識を身につけることはもちろんですが、間違えた問題にしっかり向き合い「なぜその答えになるのか?」をじっくり考えることが大切ですね。