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入試平均点の推移からわかる2つの変革期

前回に引き続き、高校入試情報をお届けします。今回のテーマは「公立高校入試の合格者平均点」についてです。

早速、最近13年間の5科目平均点の変化を見ていきましょう。次の点数は、公立高校入試の学力検査の合格者平均点の推移です。

学力検査 合格者平均点の推移 (5教科500点満点)
2010年
356.0点
2011年
348.0点
2012年
333.6点
2013年
305.6点
2014年
260.2点
2015年
256.4点
2016年
257.9点
2017年
289.9点
2018年
264.8点
2019年
263.0点
2020点
288.3点
2021点
301.2点
2022年
287.6点

この13年間で、大きな変革期が二つありました。

1つ目の変革期は、2010年から2015年の5年間です。

この5年間で、5科目平均点が100点近くも下がりました。これは、脱ゆとり教育の影響です。

注目すべき点は、2013年度入試から入試制度が大きく変わったことです。それ以前は、前期と後期の2回の選抜方法がありましたが、2013年度から共通選抜に変わり、受験者の全員が、学力検査を実施するようになりました。

また、難度が大きく変化する科目もあり、平均点を下げる要因になっています。特に英語、理科、社会は、年度によって、かなり平均点が低くなっています。英語は、2016年の平均43.0点、理科は、2015年の平均37.4点、社会は、2018年の平均41.8点でした。これは、過去最低平均点を記録しています。

2つ目の変革期は、解答形式の方法が大きく変化したことです。

2017年度入試から、マークシート形式が採用されました。これは、採点ミスが発覚され、その防止対策のためと言われいます。マークシート形式が採用され、文章記述問題が年々減少しています。その影響で、平均点が少し持ち直していると言えるかもしれません。

2016年と比較しますと、2018年は文章記述問題の配点は、英語が20点分から5点分、国語が20点分から6点分、社会が18点分から5点分それぞれ大幅に減っています。また、昨年度入試では、理科と社会の記述問題がなくなりました。数学の解答形式にも変化があり、数値を記述する問題が、数値をマークする形式になりました。

以上のように、平均点の変化は、入試制度の変更、出題形式の変化に影響することがわかります。

2年前の2021年は、コロナ禍による臨時休校の影響で、入試の出題範囲が縮小されました。結果的には、社会の平均点が大幅に上がったこともあり、5科合計の平均点が8年ぶりに300点を超えました。

昨年度の2022年は、記述解答形式の出題が減ったにもかかわらず、理科以外の4教科で平均点が下がり、再び280点台に戻りました。数学では難しい問題が増えて得点差がつきにくくなりましたが、英語、社会などでは中難度の出題が増えたため、得点差が大きく出る入試となりました。

ここ数年で、マークシート形式の解答は増えましたが、英語の長文読解の総語数は過去最大、グラフや資料を深く読み取る、判断力や思考力が問われる問題は増加傾向です。今後の対策としては、まずは入試問題の特徴を知ること、自分の弱点分野、得点源となる問題を把握することがポイントになります。

今週もありがとうございました。

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