子どもの話を否定せずじっくり聴く「傾聴」のスキルとは

2年前にチャイルドコーチングの資格を取得するため、いろいろな本を読んでコーチングのスキルを学びました。そこで学んだコーチングの考え方、具体的な実践方法などを紹介したいと思います。少しでも子育てのヒントにしていただければ幸いです。
今回は、子どもの警戒心を解き本音を引き出すのに効果的なコーチングの一つ「傾聴」というスキルです。
塾では定期的に生徒と個人面談をよくします。普段の授業中と違って1対1になるので、子どもをより理解するチャンスでもあります。
例えば、「最近、授業でわからないところある?」「家庭学習はしっかりやっている?」「高校(大学)はどこを志望しているの?」など、よく話しかけています。
そこで、その返答でよく耳にするフレーズは、「とくにありません」「まあふつうです」「まだわかりません」です。
反応が今一つの生徒に対して、「何も考えがないのかな」「もっとはっきり言ってほしいな」など、もどかしさを感じることもよくあります。
しかし、質問を変えながら話をしてみると、そうでもないことに気付き始めます。こちらが言いたいことグッと我慢して子どもの声に集中します。
勉強とスマホの付き合い方に悩んでいる、進路のことで親と意見が分かれている、実は将来の夢があるなど、少しずつ自分の考えを口に出すようになります。
私たち大人は、子どもに「わかってもらおう」「教えなければ」と考えがちです。そうすると、子どもの心の中で「下手なことを言うと叱られるのではないか」、「どうせ本音を言ってもダメ出しされる」という警戒心が芽生えてきます。
だから、自分の身を守るために「わからない」を繰り返すようになってしまうのです。
では子どもの警戒心を解くためにはどうすればよいか。コーチングの基本スキルである「傾聴」です。まずは「ただ聴く」ということを試すこと。
相手の話を聴くことは、「あなたの話は聴くに値すると私は思っている」「私はあなたの存在を大切だと思っている」というメッセージを送ることです。
「何を言っても否定しない」と子どもが警戒心を解いたときに、思いかけない本音が出てきます。子どもは「わからない」のではなく、否定されるのを恐れていることが多いです。
子どもの考えを引き出すには、まずは「何を言っても大丈夫」と思える環境をつくることが大切ですね。
次回は、傾聴のスキルを活用するポイントを紹介します。
今週もありがとうございました。