子どもの「存在」をアクノレッジするとは?ほめる3つのポイント
先週に引き続き、子育てに役立つコーチングのお話です。前回は、子どもの自己肯定感を高めるコーチングの一つとして「承認」というスキルを紹介しました。
コーチングにおける「承認」には、結果承認、行為承認、存在承認、の3つの承認があるとお伝えしました。
コーチング用語に「アクノレッジする」(acknowledge)という言葉があります。アクノレッジするとは、直訳すると「承認する」「認める」という意味です。名詞形は、アクノレッジメント(承認)。
これは、その人の素晴らしいと思えるところを自分の意志で見つけていき、それを言葉にして伝えていく行為です。
「ほめる」という言葉とも限りなく近いのですが、「その人の存在そのものを認めていく」「その人がそこにいることに価値を置いていく」というような意味合いをも含んでいます。
そこで、子どもをアクノレッジする手段として、「ほめる」という行為が度々必要になってきます。
しかし、いざ我が子をほめようと思っても、声かけのタイミング、ほめるのが苦手、どうほめたらよいのか、とほめる第一歩を踏み出せない方も多いかと思います。
また、承認の大切さを理解し、実践してみたものの、子どものタイプによっては、すぐに効果が現れないケースもあります。
ほめ言葉に素直に喜べる子どももいる一方、「何か裏があるのではないか」「それほどのことでもないのに」と、ほめ言葉を素直に受け取れない子どももいるからです。
そんなときに効果的な承認には、3つのポイントがあります。
1.具体的に承認
結果承認であれ、行為承認であれ、どこがほめポイントなのか、事実を具体的に承認する。
2.タイミングよく承認
ほめるタイミングは時間をおかないこと。ほめられる出来事があったら、すぐに承認する。
3.心を込めて承認
子どもに笑顔を向けるなど、表情や態度、身振り手振りを交えて、少し大げさに承認する。
この3つのポイントを実践していくことで、子どもは「自分がしていることを見ていてくれる(行為承認)」「自分の存在を認めてもらえている(存在承認)」という感覚を持つことができます。
この「承認されている」という感覚が、自己肯定感につながっていきます。
承認はやみくもにほめるだけのスキルではありません。一人ひとりをつぶさに観察し、頑張っていることや強みを見つけることが大切ですね。
私も子どもを教える立場として、子どもたちのやる気を引き出し、目標を達成させるためには、このアクノレッジメント(承認)のスキルが必要だということに、改めて気付かされました。
参考文献
「子育てコーチングの教科書」あべまさい
「子どもの「やりたい」を引き出すコーチング」あべまさい
今週もありがとうございました。