2024年度公立高校入試 入試問題の分析と対策 理科編
猛暑続きの夏休みが終わり、いよいよ2学期のスタートです。中3の受験生にとっては、2学期内申点の確定、高校受験対策など、進路を決める大事な時期を迎えます。志望校で迷っている生徒さんは、まずは、学校説明会や文化祭などにぜひ足を運んでみてください。
さて、今週から「公立高校入試問題の分析と対策」について掲載していきます。各教科の平均点の推移、合格者の得点分布、問題内容の分析、配点と正答率の特徴、今後の対策とポイントなど、各教科の特徴をお伝えします。
今回は、2024年度入試「理科の分析と対策」です。
2024年度公立入試 理科の分析と対策
理科 合格者平均点の推移
2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
55.9点(3) | 50.1点(5) | 58.9点(3) | 51.0点(5) | 57.3点(2) |
理科 合格者の得点分布
昨年度は5教科の中では平均点が一番低い教科でしたが、今年度は平均点が6.3点ほど上昇しました。得点分布を見ると、41点~70点の3区間はほぼ均等な割合で、全体で48.1%が集中しています。理科の平均点の特徴としては、過去5年間を見ても、毎年上げ下げを繰り返しています。
理科 問題内容の分析
設問 | 出題内容 | 設問数 | 配点 | 受検者平均点 | 受検者得点率(%) |
---|---|---|---|---|---|
問1 | 物理:光の屈折・全反射、仕事、作用・反作用 | 4 | 9 | 4.05 | 44.94 |
問2 | 化学:溶解度、化学反応式、化学電池 | 4 | 9 | 6.38 | 70.92 |
問3 | 生物:植物の分類、動植物の細胞、唾液の実験 | 3 | 9 | 6.28 | 69.80 |
問4 | 地学:地層、天体、太陽光パネル | 4 | 9 | 4.56 | 50.61 |
問5 | 物理:電流と磁界、直流と交流、音の波形 | 4 | 16 | 6.32 | 39.50 |
問6 | 化学:電気分解、中和 | 6 | 16 | 10.36 | 64.74 |
問7 | 生物:生殖、遺伝の法則 | 5 | 16 | 11.54 | 72.10 |
問8 | 地学:水蒸気と湿度、低気圧と前線、天気の変化 | 4 | 16 | 7.77 | 48.55 |
昨年度に続き全問が番号選択問題で、大設問数、分野別の問題配列は例年通りでしたが、小設問数が増え、完答形式からそれぞれの小設問に配点を設ける変更がありました。学年別に見ると、問1~問4の各分野で各学年からほぼ均等に出題され、問5~問8では中3の学習内容が多くなっています。
理科 配点と正答率の特徴
問1~問4が36点、問5~問8が64点の配点!
・すべての問題が番号選択、完答形式から小設問ごとに配点
・選択肢の数は、6択以上のものが減り、4択のものが中心
34問中18問が正答率41%~69%に集中!
・どの分野もほぼ均等に出題、化学と生物分野の正答率はやや高い
・正答率70%以上は10問、40%以下は6問
理科 今後の対策とポイント
・まずは中1・中2の基礎知識を早めに固めること。特に生物分野は得点源。
・知識や情報を読み取る問題は、普段からじっくり考えて解くことが大事。
・模擬試験や過去問の解き直しを繰り返し、他県の入試問題にも挑戦する。
理科は各学年、各分野から幅広く出題されます。基礎知識を身につけることはもちろんですが、間違えた問題にしっかり向き合い「なぜその答えになるのか?」をじっくり考えることが大切ですね。