2024年度公立高校入試 入試問題の分析と対策 英語編
猛暑続きの夏休みが終わり、いよいよ2学期のスタートです。中3の受験生にとっては、2学期内申点の確定、高校受験対策など、進路を決める大事な時期を迎えます。志望校で迷っている生徒さんは、まずは、学校説明会や文化祭などにぜひ足を運んでみてください。
さて、今週から「公立高校入試問題の分析と対策」について掲載していきます。各教科の平均点の推移、合格者の得点分布、問題内容の分析、配点と正答率の特徴、今後の対策とポイントなど、各教科の特徴をお伝えします。
今回は、2024年度入試「英語の分析と対策」です。
2024年度公立入試 英語の分析と対策
英語 合格者平均点の推移
2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
49.4点(5) | 54.6点(4) | 52.1点(5) | 55.3点(3) | 47.0点(5) |
英語 合格者の得点分布
今年度の英語は難易度が上がり、5教科の中で最低平均点でした。ここ数年では平均点が低めに出ています。得点分布を見ると、11点~50点の区間に56.6%が集中しています。この分布からは読み取れませんが、英語は偏差値が高い高校は高得点に、低い高校は低得点に集まる傾向が強い教科です。高校間で一番差がつきやすい教科とも言えます。
英語 問題内容の分析
設問 | 出題内容 | 設問数 | 配点 | 受検者平均点 | 受検者得点率(%) |
---|---|---|---|---|---|
問1 | リスニング | 7 | 21 | 13.07 | 62.24 |
問2 | 語彙(適語選択) | 3 | 6 | 3.23 | 53.90 |
問3 | 文法(適語選択) | 4 | 12 | 6.61 | 55.08 |
問4 | 文法(語順整序) | 4 | 16 | 6.53 | 40.80 |
問5 | 英作文 | 1 | 5 | 2.00 | 40.00 |
問6 | スピーチの文の読解 | 3 | 15 | 6.20 | 41.30 |
問7 | 資料を含む文の読解 | 2 | 10 | 3.04 | 30.35 |
問8 | 会話文の読解 | 3 | 15 | 6.10 | 40.63 |
選択肢の数が増えた問題が1題あったこと以外は昨年と同じ傾向で、全体を通して語彙のレベルが上がりました。読解問題の総語数は昨年度とほぼ同じでした。読解問題は、要約力、課題を解決する力、内容一致を正確に読み取る力など、速読力・精読力・思考力が問われます。
英語 配点と正答率の特徴
配点はリスニングと長文読解で60%を占める!
・問1のリスニングは21点
・問6・7・8の長文読解は40点
設問27問中、正答率60%以上は7問だけ!
・問1のリスニング、問2・問3の適度選択は正答率が高い問題もある
・長文読解の正答率は全体的に低いが、問6は得点源になる問題もある
英語 今後の対策とポイント
・適語選択は長文に比べ正答率が高いので、語彙力を高め、文法力の基礎を固める。
・長文読解はやらず嫌いの生徒が多い。まずは短い長文を日本語に訳してみる。
・リスニングは正答率の高い問題が多いので、日頃から英文を聞くようにする。
全体の60%を占める「リスニング」と「長文読解」は、練習を積んでいけば得点源になる問題もあります。過去の入試問題を解いて出題傾向をつかむことが大切ですね。